感染と消毒 2018 Vol.25 No.1 p.3-9
総説
WHO,CDC,ACS,AORN のSSI 防止に関するガイドラインについて
畑 啓昭
手術部位感染(SurgicalSiteInfection:SSI)は,近年医療関連感染のなかでも大きな割合を占め,患者のQOLを低下させるだけでなく,医療者の負担や医療費の増加を招く原因となっている.このような背景から,2016年にはWHOがSSI予防に関するガイドラインを初めて刊行し,2017年にはCDCがようやくガイドラインの改訂版を刊行した.本項では,これらのガイドラインのトピックスについての背景と日本における考え方について,米国外科学会・外科感染症学会(AmericanCollegeofSurgeons/SurgicalInfectionSociety:ACS/SIS)や米国周術期看護師協会(AssociationofperiOperativeRegisteredNurses:AORN)のガイドラインの記載内容とも比較しながら解説を行う.