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ASTにおける薬剤師の役割

2018 Vol.25 No.1 目次

感染と消毒  2018 Vol.25 No.1 p.60-64 

感染制御に現場から一言
ASTにおける薬剤師の役割
中居 肇

抗菌薬適正使用を進めていくにあたり,ASP;AntimicrobialStewardshipProgramの概念が重要であり,ASPを実践するチームを抗菌薬適正使用支援チーム(AST;Anti-microbialStewardshipTeam)と呼ぶ.東北労災病院では,MRSA感染症治療に対して,医師と協働で作成した適正使用のためのプロトコルを作成し,確実な投与設計と薬物血中濃度モニタリング(TDM)を実施している.MRSA感染症治療プロトコル導入前後で比較した投与設計実施率は70%から100%,TDM測定率は87%から95%に改善した.また,投与日数は10.5±8.3日から7.6±3.8日に短縮し,臨床的軽快患者数は47.8%から72.7%に増加した.MRSA感染症治療プロトコルの導入はASTにおいて,薬剤師が持つ専門的能力を医師や他の専門職種と協働しながら最大限活用できる可能性を示唆したものとなった.


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