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微生物の基礎知識:マダニと感染症

2018 Vol.25 No.2 目次

感染と消毒  2018 Vol.25 No.2 p.22-27 

入門講座
微生物の基礎知識:マダニと感染症
坂部 茂俊

近年マダニ媒介性感染症を題材にした報道を目にする機会が多い.その中心をなす重症熱性血小板減少症候群(SFTS)と日本紅斑熱は,健常者が日常生活を送る中で罹患し,死亡する恐れがある国内では数少ない感染症であり,注目に値する.一方で,予防と対策に関しては明快な答えがなく,患者数は増加の一途をたどっている.著者の勤務する伊勢赤十字病院では年間数十件の日本紅斑熱症例と,数例のSFTS症例の治療をおこなっている.マダニ媒介性感染症多発地域であるため,当院および周辺医療機関にはマダニ刺咬を受けた患者が多く受診する.本稿ではマダニ媒介性感染症の感染リスクと感染予防,病院内における院内感染予防に関し概説したい.またマダニ対応に関し,著者の経験から注意すべき部分について言及したい.


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