感染と消毒 2018 Vol.25 No.2 p.32-41
特別講座
インフルエンザワクチンとその有効性
君塚 善文, 川名 明彦
現在,日本で使用されているインフルエンザワクチンは4つの流行株すなわちA型のA(H1N1)pdm09,A(H3N2)およびB型の山形系統,ビクトリア系統を標的とした4価ワクチンである.ワクチンの有効性を扱う文献は多様であり,インフルエンザの診断方法,接種群と非接種コントロール群との比較方法,および国内外の製剤の違いなどを意識して活用する必要がある.現在のインフルエンザワクチンは,シーズンごとの流行株に影響を受けつつ,小児期および高齢者の一部に有効性の低くなりやすい年齢層がみられている.そこで,より安全で有効性の高いワクチン製剤の開発も進んでいる.