感染と消毒 2018 Vol.25 No.2 p.79-82
トピックス
ロボット手術と感染対策
齋藤 祐平
手術支援ロボットdaVinciの保険適応が拡大された.国外ではその他の手術支援ロボットの普及も進んでいる.精度の高い手術操作が可能とされるロボット支援手術も,皮膚や粘膜が切開され,また組織が切離される点では従来の手術と同じであり,一般的な手術部位感染への対策が必要である.また,手術支援ロボット専用手術器械のうち,洗浄しても汚染が残留するものは,病原体の貯蔵庫となる恐れがある.取扱説明書に沿って専用手術器械を徹底的に洗浄しなければならない.新たに導入されるロボット支援手術を,感染防止の観点も考慮して安全に実施するために,十分な情報収集に基づいた運用方法の検討が必要である.