感染と消毒 2019 Vol.26 No.1 p.59-62
ケア日記
1人の100回より,100人の1回を目指して -チームで取り組む手指衛生-
野路 加奈子
手指衛生は感染対策の基本であり,手指衛生の徹底により医療関連感染の発生率は低下する.医療関連感染の発生と不十分な手指衛生の関連は明らかであるにも関わらず,医療従事者の手指衛生の遵守率は十分ではなく,手指衛生の遵守率向上はいまだに感染対策において大きな課題である.そのため,各施設において,さまざまな手指衛生の遵守率向上・維持のための取り組みが行われている.当院においても,手指消毒薬の使用量調査(以下使用量調査),手指衛生の実態について直接観察法により調査を行う手指衛生遵守率調査(以下モニタリング),On the Job Training,ポスター掲示や教育といった,多面的な介入を継続的に行ってきた.今回は手指消毒薬の普及焦点を当て,当院における取組の一部を紹介する.