感染と消毒 2019 Vol.26 No.1 p.63-66
感染制御に現場から一言
全ての注射用抗菌薬を対象としたAST活動
丹羽 隆
「感染症治療の早期モニタリングとフィードバック」は治療期間全体をとおして抗菌薬治療の最適化を図るantimicrobial stewardshipの介入手法であり,近年注目を浴びている.我々の施設では,すべての注射用抗菌薬を対象として2009年から本手法を施行し,抗菌薬の使用量減少や医療経済効果のみならず,治療成績の向上にも大きく貢献している.一方,本手法に要する労力は極めて大きく,専門性も要する.今回新設された抗菌薬適正使用支援加算が体制の充実ならびに担当者の専門性の向上を導き,AS活動の推進につながることを切に願う.