バックナンバー

CREの検査室での判定

2019 Vol.26 No.1 目次

感染と消毒  2019 Vol.26 No.1 p.67-71 

感染制御に現場から一言
CREの検査室での判定
阿部 教行

米国CDCが悪夢の耐性菌と表現しているように,Carbapenem-resistant Enterobacteriaceae(CRE)は人類の生命を脅かす存在である.患者材料からCREを検出するのは微生物検査室の責務であり,感染対策上の観点からも重要である.CREの薬剤耐性メカニズムは2種類に分けられる.一つはCarbapenemase-producing Enterobacteriaceae(CPE),もう一つはnon-CPEである.特にRプラスミドを介した水平感染のリスクが高い前者は重要である.しかし,CPEは薬剤感受性試験で時にカルバペネム系抗菌薬のMICが低いことがあり感性と判定されるため,検査室でCPEを見落とすリスクがある.しかしCPEは特定の遺伝子型を検査する手法や選択培地を用いた培養,さらに表現型の確認試験を実施する工夫を行うことで見落としを防ぐことができる.これらの知識や技術を習得し,正確かつ迅速な判定を行うことで,CREの拡散を防ぐことができる.


感染と消毒ホームページ事務局(幸書房内)
ホームページに関するお問い合わせはこちら