感染と消毒 2020 Vol.27 No.1 p.50-53
感染制御に現場から一言
薬剤耐性グラム陰性桿菌の分子疫学
鈴木 由希, 中野 竜一, 中野 章代, 矢野 寿一
抗菌薬の効かない薬剤耐性菌の増加は,本邦のみならず世界的な脅威であり,国家レベルでの取り組みが始まっている.これらの耐性メカニズムや分離率など疫学的特徴は国・地域により異なるため,それらの特性を考慮して感染症治療や感染制御を行う必要がある.また,耐性菌はヒトのみならず環境や動物からも分離されていることから,耐性菌対策を講じるにあたり環境や動物も含めた包括的な理解と取り組み,すなわち「ワンヘルス・アプローチ」が重要となる.