感染と消毒 2020 Vol.27 No.2 p.10-15
特集 COVID-19
新型コロナウイルス感染症
ウイルス学・ワクチン・疫学を中心に
田村 大輔
ヒトに感染するコロナウイルスは,新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を加えて7種類存在するが,ウイルスにより不顕性感染や軽度の風邪症状から重症肺炎まで臨床像は幅広い.SARS-CoV-2は,遺伝子変異を起こしながら世界中に拡散した.現在までに,罹患者数は2000万人以上,致命率は6.5%と重症化しやすいウイルスであるが,臨床像は,宿主年齢や基礎疾患の影響を受けやすい.2020年8月13日までに,世界中で167種類のワクチンが研究開発されている.6種類のワクチンは,Phase3臨床試験段階にあり,プラットフォームは,ウイルスベクターワクチン,不活化ワクチン,mRNAワクチンとさまざまである.2020年冬,もしくは2021年春の実用化を目指している.