感染と消毒 2021 Vol.28 No.2 p.64-66
感染制御に現場から一言
培養検査(血液培養など)
小森 敏明
培養検査は,検査材料から感染症の原因となる細菌または真菌を分離するための検査である.塗抹検査で菌が確認できれば菌を推定し,早期の診断や治療に役立てることができるが,そのためにはある程度の菌量が必要になる.菌量が少ない場合は培養検査が必要になる.菌を発育させることでその後の同定検査や薬剤感受性検査が実施でき,確実な診断と治療につながる.一方,常在菌が混入する検体は培養前の品質管理が重要になる.血液や髄液などの無菌材料からの菌検出は感染症の原因菌を判断するうえで重要な情報となる.