感染と消毒 2021 Vol.28 No.2 p.70-74
トピックス
小児のCOVID-19 ―その特徴とこれからの感染対策―
齋藤 昭彦
小児のコロナウイルス感染症(COVID-19)は,人口比で成人に比べ,感染者数は少なく,また,ほとんどが無症状か軽症である.一方で,稀ではあるが,乳児や基礎疾患をもつ小児で重症化したり,また,合併症の報告もある.これまで,小児は,園・学校などでの感染対策の徹底や,一斉休校などを強いられてきた.高齢者を中心に,ワクチン接種が進んでいるが,小児のワクチン接種はほとんど進んでいないのが現状である.今後,更なるワクチンの普及でCOVID-19感染者数の減少が期待される.一方で,十分な接種が期待できない小児では新しく発生しうる変異ウイルスの流行を含めてその感染の広がりが懸念される.小児を守るため,また社会全体の感染者を減らすためにも,小児へのワクチン接種は重要な課題であり,接種する側,接種される側の十分な理解の上で,進められなくてはいけない.