感染と消毒 2022 Vol.29 No.1 p.55-58
感染制御に現場から一言
滅菌物の質・管理の向上と感染対策委員会への中央材料室としての参加
澤井 智
高度で最善の医療を,いつでも安全に提供していくためには,患者様の処置・手術に使用される再使用可能医療機器(以下RMD:reusable medical device)を確実に洗浄・消毒・滅菌して,各部署へと供給する必要性がある.そのRMD の再生処理と管理は滅菌供給部門(CSSD:central sterile supply department)である中央材料室が行っており,その意味において感染制御の一端を担っていると言っても過言ではない.
中央材料室では洗浄・消毒・滅菌処理工程を管理し,また各部署に供給された滅菌物が適切に保管・管理されているか確認する等,日頃から施設全体のRMD の監視と管理を行い,その中で課題が見つかれば,その都度見直し・改善を行っている.
今回,これまでのCSSD での業務経験をもとに,2018 年入職時より行ってきた再生処理工程管理と滅菌物管理の見直しについて,またその取り組みにより病院機能評価による高評価や院内感染対策委員会の参加に繋がった事例について報告する.