感染と消毒 2022 Vol.29 No.2 p.3-9
総説
新型コロナウイルス感染症 内服薬の有効性
本田 仁,土井 洋平
2019 年より世界的流行(パンデミック) がはじまった新型コロナウイルス感染症(Coronavirus Infectious Disease of 2019;COVID-19)は,約3 年経過した現在においても,散発的な地域的流行(エピデミック)を繰り返している.この間,COVID-19 の起因ウイルスである,SARS-CoV-2 は繰り返し変異を来たし,薬物治療やワクチンの効果の減弱が憂慮されている状況が続いている.COVID-19 は主に外来で対応すべき感染症の一つにシフトしており,ワクチン接種に加え,診断早期での治療介入できる状況の体制づくりが欠かせない.この早期介入の際に重要な治療選択となるのが,内服薬である.この稿では,現在入手可能もしくは今後入手可能となりうるCOVID-19 の内服治療薬についてのレビューを行い,内服薬における今後の課題について議論する.