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微生物の基礎知識:CRE 感染制御(CPE も含めて)

2022 Vol.29 No.2 目次

感染と消毒  2022 Vol.29 No.2 p.22-27 

入門講座
微生物の基礎知識:CRE 感染制御(CPE も含めて)
八木 哲也

カルバペネム耐性腸内細菌科(目)細菌(Carbapenem-resistant Enterobacteriaceae(Enterobacterales):CRE)とは,元来薬剤感受性の良い腸内細菌科(目)細菌が,カルバペネムをはじめとするβ-ラクタム薬に広く耐性を獲得したものである.特にカルバペネムを分解するカルバぺネマーゼを産生するカルバペネマーゼ産生腸内細菌科(目) 細菌(Carbapenemase-producing Enterobacteriaceae(Enterobacterales):CPE)は,治療上も感染対策上も区別して考えることが重要である.CRE の早期発見に努め,検出したらCPE を区別し,積極的保菌調査,厳重な接触予防策,環境衛生管理の強化などの対策を迅速にとる必要がある.対策にもかかわらず多数のCRE/CPE が検出される場合には,保健所へ報告・相談すると共に地域連携も活用して他の専門家の助言を求め,対策を強化することも考える必要がある.各医療施設の実情に合わせて,CRE/CPE の多発事例に対する対策を段階的に分かりやすく可視化しておくと,実際に事例が発生した時に対応しやすいと考えらえる.


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