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消毒法の基礎知識:感染症予防対策としての環境消毒

2023 Vol.30 No.1 目次

感染と消毒  2023 Vol.30 No.1 p.23-26 

入門講座
消毒法の基礎知識:感染症予防対策としての環境消毒
隈下 祐一

COVID-19 のみならず,薬剤耐性菌,ノロウイルスあるいはClostridioides diffcile芽胞などによる感染症予防対策に環境消毒は重要な手段となる.環境消毒薬には一般的に第四級アンモニウム塩,アルコールを配合した消毒薬が用いられ,消毒薬抵抗性が強い芽胞やノロウイルスなどの対策には次亜塩素酸ナトリウムが用いられる.環境消毒の方法については国際的なガイドラインにより,環境表面に消毒薬をスプレーで直接噴霧することは推奨されておらず,環境消毒薬が含浸された不織布を用いて環境表面を清拭することが望ましい.環境消毒薬の選択においては環境感染学会から出されている「環境消毒薬の評価指針2020」などによって有効性が確認されているものを使用するのがよいと考えられる.加えて厚生労働省より物品等の殺菌消毒薬に関する新しい通知が出ており,今後消費者にとって環境消毒薬の商品選択がしやすくなると考えられる.


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