感染と消毒 2023 Vol.30 No.1 p.33-37
医療の現場から
精神科病棟の感染対策
川内 健史
精神科病棟には,感染対策を行う上で考慮すべき特殊性がある.閉鎖的な環境は感染症をまん延しやすくする要因となり得るし,患者に検査や治療を拒否されれば感染症の発見の遅れにつながる.精神科病棟におけるAMR 対策には,抗菌薬の適正使用だけでなく,抗精神病薬の適正使用も求められる.精神科病棟で感染対策を効果的に行うためには,こうした特殊性を理解し,閉鎖的環境を感染症から患者を守るためのバリアとするなど,弱点を強みに変える等の工夫が必要である.