感染と消毒 2024 Vol.31 No.1 p.30-34
特別講座
正しい環境消毒法
馬場 啓聡,金森 肇
病原微生物により汚染された医療環境は,病原微生物伝播のリザーバーとなり得る.医療関連感染予防のため,適切な環境清掃・消毒による環境衛生の推進が非常に重要であるが,環境清掃及び消毒法は標準化されておらず,正しい環境清掃・消毒法についての科学的なエビデンスが求められている.一方で,ノータッチ・メソッドや自己消毒性表面など,新たな環境浄化法が研究・開発され,臨床応用が進んでいる.本稿では,正しい環境清掃・消毒法に関するこれまでの知見をまとめ,医療環境衛生の現状と向上のための取り組み,そして今後の課題について概説する.