エチレンオキサイド滅菌は低温で高い滅菌効果をもつ優れた滅菌法であるが，一方で人体に対して有害であることが知られている．環境省では有害物質の大気排出抑制を進めるため各事業者団体へ自主管理計画を策定し，排出抑制を推進するよう求めている．医療機関としても排出抑制対策を進めていく必要があり，自主管理計画に則って検討したい．一例として東京科学大学病院でエチレンオキサイド滅菌を廃止した経緯を紹介する．多くの医療施設でエチレンオキサイド滅菌の削減は可能と考えられるが，代替滅菌への器材適合性など課題もあることから，医療機器メーカおよび医療機関ともに将来を見据え，今後の適切な滅菌を考える機会としたい