灌流排液へ次亜塩素酸ナトリウム原液を混ぜて、汚物室で流して廃棄する方法に問題はありません。
灌流排液を凝固させて廃棄する方法は感染防止の観点からとても良い方法です。しかし、廃棄物の量が増えてコスト高となり、また焼却に大量のエネルギーが必要になります。したがって、灌流排液へ次亜塩素酸ナトリウムを混ぜて下水へ流す方法でも差し支えありません。
15Lの灌流排液に対して6%次亜塩素酸ナトリウム原液125~250mLを加えてください(最終濃度 0.05~0.1%〈500~1,000ppm〉)。この際に、次亜塩素酸ナトリウムの眼への飛入や付着に注意してください。6%次亜塩素酸ナトリウムは強アルカリ性を示します。
そして、10分間以上経過後に、汚物室の流しに廃棄してください。廃棄の際には、跳ね返りを防ぐためフェイスシールドやエプロンなどを着用してください。次亜塩素酸ナトリウムを加えていても、血液などの汚れ(有機物)の量によっては灌流排液の消毒は十分になされていないからです。
なお、廃棄後は、排水口内に次亜塩素酸ナトリウムが貯留して、配管の腐食が起きないように十分量の流水を流してください。
- 引用文献
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- 大久保憲,尾家重治,金光敬二 編.2020年版 消毒と滅菌のガイドライン.へるす出版.改訂第4版 2020年3月30日.
尾家 重治(山陽小野田市立 山口東京理科大学 薬学部)
2022年10月