洗浄・消毒・滅菌 Q&A

回答については、質問をいただいた時の基準に沿って回答しておりますので、現時点とは異なっている場合もございます。

膀胱留置カテから集尿袋を装着している場合、カテ及びバッグは膀胱より下に置く事が基本ではありますが、在宅では遵守出来ないケースもあります。バッグに逆流防止弁があり、免疫力があれば大丈夫でしょうか?(K.K.)

採尿バッグに逆流防止弁が付いていて、かつ患者に免疫力があっても、大丈夫ではありません。

なぜなら、逆流防止弁付きの閉鎖式採尿バッグを用いても、汚染菌の上行性移動を防ぐことはできないからです。逆流防止弁により尿の逆流は生じにくくなりますが、菌は自由に逆流防止弁内を通過できることが判明しています1,2)

また、膀胱留置カテーテルは患者にとって異物なので、たとえ免疫力があっても、膀胱留置カテーテル患者は感染しやすい状態だからです。したがって、膀胱留置カテーテル及び採尿バッグはできる限り膀胱より低い位置に固定して、尿流を良好に保つことが望ましいです。

参考文献
  1. Rasmudden A, Frimode-Moller N,Espersen F, et al: Retrograde contamination and practical handling of urine-meters: a comparison of three systems for the measurement of hourly diuresis in an experimental bladder-drainage model and in clinical use. Br J Urol 78,187-191, 1996.
  2. Wenzler-Rottele S, Dettenkofer M, Schmidt-Eisenlohr E, et al: Comparison in a laboratory model between the performance of a urinary closed system bag with double non-return valve and that of a single valve system. Infection 34, 214-218, 2006.

尾家 重治(山口大学医学部附属病院 薬剤部)
2014年06月
感染と消毒ホームページ事務局(幸書房内)
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