洗浄・消毒・滅菌 Q&A

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院内感染マニュアルに沿い使用後の輸液セットチャンバー1/2下部から全てを、感染性ゴミとしてハサミで切り落とし感染性ゴミとして捨てています。エビデンスをふまえ、この対応は妥当なのかお教えください。(Y.I.)

2012年5月の「廃棄物の処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」に基づく廃棄物分別一覧表(2014年4月版)によると以下のごとくの解釈となります。

感染性廃棄物の分類
黄色(鋭利なもの):注射針、メスの刃、ガイドワイヤー、シース、アンプル
橙色(固形物):血液の付着した固形物
赤色(液状・泥状のもの):手術などで発生する組織、血液・体液などの廃液

針付きの輸血セット、針付きの輸液ルートなどは両端に鋭利な針が付いていますので「黄」の感染性廃棄物に含まれます。針なしの輸液ルートもしくは抗がん剤の付着したものは「橙」の感染性廃棄物と判断すると記載されています。

以上の分類定義から判断しますと、輸液チャンバーは輸液ルートに一体的に含まれますので、チャンバーを1/2下部から切断して先までを感染性廃棄物として廃棄されている方法は誤りとなります。点滴バッグなどから抜いた針付き輸液ルートは、針部分を切り離さずまとめて、すべてを「黄」の感染性廃棄物として廃棄すべきです。針なしの輸液ルートは「橙」の感染性廃棄物となります。

図:廃棄物処理に基づく感染性廃棄物処理マニュアル p40(環境省)より
図:廃棄物処理に基づく感染性廃棄物処理マニュアル p40(環境省)より

参考出版物
  1. 環境省大臣官房「廃棄物・リサイクル対策部. 廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」. 2012年5月

大久保 憲(東京医療保健大学/大学院 教授)
2015年03月
感染と消毒ホームページ事務局(幸書房内)
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