検査終了と同時にベッドサイドにて直ちに200mL以上の酵素洗浄剤にて吸引管路内の汚染物質を吸引します。酵素洗浄剤はメーカの指示に従って使用当日に希釈して下さい。
酵素洗浄剤の使用可能時間は約8時間。汚染の程度および経時的に酵素活性が低下してきますので、一日の終わりには廃棄して下さい。
酵素洗浄剤には、高発泡性のものと低発泡性のものがありますが、ベッドサイドでの吸引や、超音波洗浄器には低発泡性のものを使用します。
送気・送水ボタンを外してA-Wボタンを取り付け送気・送水管路内の汚染物質を洗浄します。この時は検査で使用している送水タンクの水が流れます。
洗浄シンクでの洗浄は、酵素洗浄剤の原液の入ったタンクのディスペンサーから洗浄剤をスポンジにとって洗浄します。この場合には高発泡性のものを使用します。1プッシュ約4mLの酵素洗浄剤と温水で1本のスコープを洗浄することができます。
洗浄時の曝露対策のための個人防護具(PPE)として、手袋は手首から先がなるべく長いものを使用します。酵素洗浄剤が手袋の中に入ると皮膚炎を起こすことがあります。手首からの距離が短い手袋とアームカバーでは、洗浄時に酵素洗浄剤が手袋内に入ってくるのを防ぎきれません。
また、スコープの洗浄には、マスク、キャップ、ゴーグル、防水エプロンor ガウン、アームカバー、手袋を装着します。酵素洗浄剤に対する曝露対策もありますが、スコープは汚染されていますので汚染物質からの曝露を防止するという意識が大切です。
洗浄剤の選択と保存について、食器用の中性洗浄剤は不適切です。多酵素の洗浄剤も販売されていますが、一般的な洗浄においては、その差はわかりません。
酵素洗浄剤は冷暗所に保存して下さい。日光に長期間放置すると酵素が失活するといわれています。使用直前に規定濃度に希釈して使用します。通常は100程度に希釈にして、温水(42℃程度)で使用するのが効果的といわれています。管路内に酵素洗浄剤を満たし、さらにスコープ全体を酵素洗浄剤に浸漬すると効果的です。
アルカリ性の洗浄剤は、スコープの素材を痛める場合がありますので、使用に関してはスコープメーカーに確認する必要があります。