洗浄・消毒・滅菌 Q&A

回答については、質問をいただいた時の基準に沿って回答しておりますので、現時点とは異なっている場合もございます。

少数だが高圧蒸気滅菌器(真空脱気プリバキューム式)で院内製剤の注射薬を滅菌している。薬剤部では、生物学的インジケータ・化学的インジケータは液体の滅菌保証にはならないという判断で未導入。正しい判断か?(N.F.)

院内製剤の注射薬(液剤)の滅菌には通常、真空脱気プリバキューム式ではなくて、重力加圧脱気(重力置換)式の高圧蒸気滅菌器が使用されています。したがいまして、重力置換式の高圧蒸気滅菌器を用いているとして、回答します。

滅菌対象が液剤の場合、材料部(医材センター)などで汎用されている生物学的インジケータや化学的インジケータ(Attest™, メッキンカード®など)を用いても、必ずしも液剤の滅菌確認が行える訳ではありません。なぜなら、液体中では熱伝導が悪いからです。しかし、液剤の確実な滅菌確認が行えないとしても、これらの生物学的インジケータや化学的インジケータは滅菌保証の目安にはなり得ます。したがって、「生物学的インジケータ・化学的インジケータは液体の滅菌保証にはならないので、薬剤部では導入しない」という判断は、正しい判断とはいえません。
なお、より正確に液剤の滅菌確認を行う方法として、次の1~3があげられます。

  1. アンプル型の生物学的インジケータ(プロスポアⅠ1mL,4mL;レーベン・ジャパンK.K.)が発売されている。滅菌対象が小用量の液剤であれば、これらのアンプル型インジケータで滅菌確認を行う。また、滅菌対象が500mLなどの大用量の液剤であれば、これらのアンプル型インジケータをダミーの液剤中へ投入して滅菌確認を行う。
  2. フローティングセンサー付きの高圧蒸気滅菌器を使用する。このセンサーをダミーの液剤中へ入れて、温度とその持続時間とを確認する。
  3. 滅菌後の液剤に対して、ロットごとに日本薬局方の無菌試験法を実施する。

尾家重治(山口大学医学部附属病院 薬剤部)
2015年08月
感染と消毒ホームページ事務局(幸書房内)
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