洗浄・消毒・滅菌 Q&A

回答については、質問をいただいた時の基準に沿って回答しておりますので、現時点とは異なっている場合もございます。

点滴を施行する時に翼状針で刺し固定した後に刺入部に点滴が終了するまでアルコール綿花をのせていました。保護フイルムがない場合、刺入部は何ものせずに露出させていていいのでしょうか?(E.M.)

ワンショット静注以外での翼状針の使用は勧められません。なぜなら、翼状針は血管を傷つける可能性があるからです。しかし、抗菌薬などの短時間点滴で、かつ点滴中に患者が刺入部を動かさずにしておくことができれば、点滴での翼状針の使用も可能です。この場合でのご質問としてお答えします。

まず、刺入部をアルコール綿で清拭して、乾燥後に翼状針を刺入します。そして、翼状針の刺入部を固定後は、ご質問の「刺入部に点滴が終了するまでアルコール綿花をのせておく」または「刺入部には何ものせずに露出させておく」いずれの方法でも差し支えありません。刺入部の保護の観点から「アルコール綿花をのせておく」を行われていたのでしょうが、短時間の点滴では「何ものせずに露出させておく」でも問題ありません。

なお、点滴での血管内留置カテーテルの使用では、刺入部を滅菌フィルムドレッシング材や滅菌ガーゼで固定ならびに保護する必要があります。この際、血液などがしみ出てくるような場合には、滅菌ガーゼのほうを選択します。

参考文献
  1. O'Grady NP, Alexander M, Bums LA, et al: CDC; Guidelines for the prevention of intravascular catheter-related infections, 2011.
    http://www.cdc.gov/hicpac/pdf/guidelines/bsi-guidelines-2011.pdf

尾家 重治(宇部フロンティア大学 人間健康学部看護学科 教授)
2016年08月
感染と消毒ホームページ事務局(幸書房内)
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