根拠となる文献は見当たりませんが、回答者が以前に行った実験結果は次のとおりです。
宇部市内の9か所で購入した家庭用次亜塩素酸ナトリウム(雑品)の次亜塩素酸ナトリウム濃度を測定したところ、9本中7本は5.5%(55,000ppm)濃度でしたが、残りの2本中1本は0.95%、もう1本は0.75%濃度でした。0.95%濃度のものは店頭で直射日光下で売られていたもので、0.75%濃度のものは薬局でホコリをかぶっていたものです。次亜塩素酸ナトリウムは直射日光下で急速に効力が低下しますし、また長期間にわたる保管でも(経時的に)効力が低下します。対照として調べた医療用次亜塩素酸ナトリウム(医薬品)計21サンプルはいずれも規定の濃度でした。
表に、家庭用次亜塩素酸ナトリウム(雑品)と医療用次亜塩素酸ナトリウム(医薬品)との違いをまとめました。ご質問者の指摘のとおり、医療現場では雑品よりむしろ、濃度が保証されている医薬品のほうの次亜塩素酸ナトリウムの使用が望ましいです。
種別 | 製造年月 | 濃度表示 | 使用期限 | 保管方法 |
---|---|---|---|---|
雑品 | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 室温 |
医薬品 | 記載あり | 記載あり | 記載あり (製品により異なる; 6か月~3年) |
室温または冷所 (製品により異なる) |
尾家 重治(宇部フロンティア大学 人間健康学部看護学科 教授)
2016年11月