洗浄・消毒・滅菌 Q&A

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歯科で親知らず等抜歯の際に術前の消毒に口腔内は0.025%のザルコニン液(ベンザルコニウム塩化物)で口周の皮膚は0.05%のザルコニン液で慣例的に消毒していました。これを口腔内、外とも0.025%で消毒してもよいのでしょうか。(H.M.)

口腔内、外とも0.025%ベンザルコニウム塩化物(ザルコニン?液)で消毒してよいです。

口周の皮膚の消毒では、その消毒液が口腔内に流入する可能性があります。したがって、ベンザルコニウム塩化物での口周の皮膚消毒には、粘膜適用のある0.025%液を使用するのが望ましいです。

ベンザルコニウム塩化物の0.025%液は0.05%液と比べると若干効果が劣ります1)。しかし、ベンザルコニウム塩化物の粘膜面への使用では、十分な殺菌力を期待するというよりはむしろ、ある程度の殺菌力と、界面活性作用による汚れの除去効果とを期待して使用します。したがって、2種類の濃度液を使い分けるという繁雑さを避ける観点からも、口腔内、外とも0.025%ベンザルコニウム塩化物での消毒を行われてください。

引用文献
  1. 城野久美子 他:塩化ベンザルコニウム及びグルコン酸クロルヘキシジンの殺菌力と殺菌速度.薬学雑誌, 105: 751-759, 1985

尾家 重治(宇部フロンティア大学 人間健康学部看護学科 教授)
2016年12月
感染と消毒ホームページ事務局(幸書房内)
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