枕やクッションの消毒は必要です。また、これらの消毒には、エタノールの噴霧ではなくて清拭のほうが適しています。なぜなら、噴霧法に比べて清拭法のほうがはるかに強い消毒効果が得られるからです1,2)。筆者もアイスノンRに付着させたMRSAの消毒法について検討しましたが、噴霧法に比べて清拭法のほうが約10~100倍強い効果が得られました(図1)。
ただし、枕やクッションの清潔保持の基本は丸洗いで、その消毒には60~80℃(材質によって異なる)の熱水が適しています。また、枕やクッションに前もって防水シーツやビニール袋などをかぶせておいて、そのうえに敷くカバーなどの洗濯を頻回に行う方法も勧められます。さらに、手術後などでは滅菌ドレープをかぶせておく方法があります。
- 引用文献
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- Lawrence C: Testing alcohol wipes. Nurs Times, 88: 63-64, 1992
- Bolton SL, Kotwal G, Hamison MA et al: Sanitizer efficacy against murine norovirus, a surrogate for human norovirus, on stainless steel surfaces when using three application methods. Appl Environ Microbiol, 79: 1368-1377, 2013
尾家 重治(宇部フロンティア大学 人間健康学部看護学科 教授)
2017年02月