滅菌済みのテストラングを用いておられるのであれば、ご質問者が現在行っておられる方法(当日内はそのまま装着)で差し支えないと推定されます。
一度外した呼吸器回路は、外す行為自体や室内空気などで微生物汚染を受ける可能性があります。したがって、呼吸器回路は保管して再使用しないのが原則です。
しかし、呼吸器回路はセミクリティカル器材であり、必ずしも無菌状態は要求されません。また、人口鼻やヒートワイヤー付きの加温加湿器を使用していれば、回路内は清潔と推定されます。さらに、呼吸器回路の2日に1回などの頻回の交換は必要ないとのエビデンスも考慮すると1,2)、外した呼吸器回路の当日内の再使用は差し支えないと推定されます。
なお、ヒートワイヤー付きでない加温加湿器を使用の場合では、回路内に結露水が残っている可能性があるので、数時間などの短時間以内の再使用が望ましいと推定されます。また、外した呼吸器回路の先端は、滅菌済みテストラングの代わりに清潔ガーゼなどでくるんでおく方法でも良いでしょう。
- 引用・参考文献
-
- Tablan OC, Anderson LJ, Arden NH, et al: Guideline for prevention of nosocomial pneumonia: Part 1. Issues on prevention of nosocomial pneumonia―1994. Am J Infect Control, 22: 247-292, 1994.
- Han J, Liu Y: Effect of ventilator circuit changes on ventilator-associated pneumonia: a systematic review and meta-analysis. Respir Care, 55: 467-474, 2010.
尾家 重治(宇部フロンティア大学 人間健康学部看護学科 教授)
2017年06月