便所の洋式トイレのふたと解釈して答えます。基本的には、流水時汚染飛散防止の為、ふたを閉めて、水を流すのが原則です。洋式トイレの流水方式も、建築学的にかなり検討はされて、飛散防止の工夫がなされるようには成っていますが、貴院ご使用の洋式トイレからの飛散の有無は、洗浄水、および、便器内に色素を注ぎ込んで流水し、縁等周辺に白紙を置いて、飛散の情況を目視してみて下さい。過去には、そう言った実験結果の報告もありました。便器周辺、ふた等は汚染する、あるいは、汚染している可能性を考慮して、対応することです。手洗いの励行がまず基本的対策です。使用ごとの便座清掃は不可能ですから、常に汚染していると考えて対応して下さい。然し、総てが感染症の原因と成るとは限りません。感染性の排便、排尿をする症例は、個室トイレ、或いは、専用トイレ、を使用することです。排便を介しての感染症アウトブレークが起こった場合は、特別な対策が必要となります。
小林 寬伊(根岸感染制御学研究所 所長・東京医療保健大学 名誉学長 教授)
2017年09月