普通の手指消毒は、15秒以上を要しています1)。一方、アルコールによる皮膚障害も、かなり報告されています2)。そのような中で、ニトリルゴム手袋を着用して、患者ケアーをおこない、次のケアーに移る際に、手袋を交換することが確実に実行されているか、また、アルコールによる手袋の消毒を行って次のケアーに移行することが可能ではないかを、念頭に置いた検討結果です。歯科診療所では、日常的に手袋着用のままのアルコ-ル製剤による消毒が行われています。
この様な点から、ニトリルゴム手袋のままその表面の消毒をして、強度の減弱なしに、次のケアー移れる回数の可能性を検討した研究ですhttp://www.thcu.ac.jp/uploads/imgs/20171024084941。実験工程に作業の影響が入っていないため、更なる検討が必要ですが、数回までは、ニトリルゴム手袋着用のまま、アルコールによる手袋上からの消毒をおこなってケアーを続けられる可能性を示唆する結果です。
- 引用文献
-
- 久留野紀子, 小林寬伊, 大久保憲, 比江島欣愼, 梶浦工. 短時間ラビングによる手指衛生. JHAI 2009;2:57-60.
http://www.thcu.ac.jp/uploads/imgs/20150525033238.pdf. - 遠藤博久, 小林寬伊, 大久保憲. エタノール接触皮膚障害症例と交差反応について. JHAI 2009;2:13-17.
http://www.thcu.ac.jp/uploads/imgs/20150525024413.pdf.
- 久留野紀子, 小林寬伊, 大久保憲, 比江島欣愼, 梶浦工. 短時間ラビングによる手指衛生. JHAI 2009;2:57-60.
小林 寬伊(根岸感染制御学研究所 所長・東京医療保健大学 名誉学長 教授)
2018年01月