熱水は残留毒性がないうえに、消毒薬に比べて消毒効果が確実です。したがって、ご質問者がすでに行っておられるように、喉頭鏡のブレードの消毒には熱水がもっとも適しています。
しかし、喉頭鏡のハンドルには必ずしもそのつどの厳重な消毒(熱水消毒)は必要ではありません。なぜなら、ブレードと異なり、ハンドルは直接には患者粘膜に触れないからです。ハンドルの消毒にはアルコール(消毒用エタノールなど)清拭でも差し支えありません。アルコールは広範囲抗菌スペクトルを示し、すみやかに乾燥するため残留毒性がなく、かつ軽度の汚れであればその除去効果も期待できます。確実な消毒効果を得るために、2度拭きで対応してください1)。
ただし、ハンドルに目にみえる汚れが付着している場合には、前もっての除去が必要です。水道水や洗浄剤での洗浄や、第4級アンモニウム塩や両性界面活性剤などの洗浄効果を有する低水準消毒薬などでの清拭を行います。
- 引用文献
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- Oomaki M, Yorioka K, Oie S, et al: Staphylococcus aureus contamination on the surface of working tables in ward staff centers and its preventive methods. Biol Pharm Bull, 29: 1508-1510, 2006.
尾家 重治(東京医療保健大学 客員教授)
2018年04月