非耐熱性の人工呼吸器回路（蛇管）のほとんどは包装に「再使用禁止」と記載されて単回使用製品（ディスポーザブル製品）となっていますのでご確認ください。

再使用（リユース）可能な蛇管の再生には、高水準消毒もしくは滅菌が求められます。高水準消毒薬としてグルタラール、フタラール、過酢酸を使用しますと薬液の残留毒性の可能性がありますので、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が一般的です。ウォッシャーディスインフェクターを使用した熱水による高水準消毒も行われますが、非耐熱性の製品には適用できません。

次亜塩素酸ナトリウムの使用では、事前に十分洗浄した後に0.01％（100ppm）液への1時間浸漬の条件で行います。消毒後にはチューブ乾燥機や食器洗浄器で乾燥して下さい。複数回にわたって再生処理をする場合には、ひび割れなどの素材の劣化に注意してください。

滅菌は非耐熱性製品にはオートクレーブは使用できません。酸化エチレンガス滅菌（EOG滅菌）が行われます。滅菌後にエアレーションを十分行わないと毒性の強いガスが残留します。重大な呼吸器合併症をきたしますので注意が必要です。滅菌法として過酸化水素低温ガスプラズマ滅菌を使用する場合があります。この際には滅菌器のメーカーに問い合わせて滅菌法の素材適合性について確認してください。

以上、再使用可能な非耐熱性呼吸器回路（蛇管）の滅菌にはガスが残留することがないように十分な配慮をお願いします。消毒を行う場合には0.01％（100ppm）次亜塩素酸ナトリウム液への1時間浸漬をした後に十分乾燥してください。