床の清掃についてお答えします。できれば、処置室は血液・体液で汚染する可能性が高いですので、処置室とナースステーションのモップは分けてください。また、血液や体液と分かっている場合は、その部分だけペーパータオルなどを使用して汚染を除去してから、1,000ppm (0.1%)次亜塩素酸ナトリウムで消毒して下さい。
床清掃には、方法としてオンロケーション方式とオフロケーション方式などがあります。オンロケーション方式は、清掃場所にバケツとモップを持っていき、その場で、清掃して汚れたモップをバケツで洗浄します。この方法ではバケツの水がどんどん汚染されるので、かえって汚れを拡散する可能性があります。これに対して、オフロケーション方式は、清掃場所にはモップと交換用のモップの先(スペア)を持って行き、汚れたら新しいモップの先に交換しながら清掃します。汚れたモップの先は、後で纏めて洗浄・消毒できますので効率的です。
使用後のモップは洗浄し、消毒して十分に乾燥させます。モップの消毒は、1,000ppm(0.1%)次亜塩素酸ナトリウム液に30分間以上浸漬します。その後、十分乾燥させないと、モップ自体に菌が繁殖し、そのモップを使用することにより、逆に院内に汚染を広げる可能性がありますので、注意して下さい。
モップはどのようなものを使用されているかわかりませんが、糸が束ねているようなタイプより、フラットタイプの方が、洗浄・消毒・乾燥をさせやすいです。
吉田 理香(東京医療保健大学大学院 教授)
2020年06月