洗浄・消毒・滅菌 Q&A

回答については、質問をいただいた時の基準に沿って回答しておりますので、現時点とは異なっている場合もございます。

新型コロナウイルス感染症疑い、または患者の高頻度接触面に対して、次亜塩素酸ナトリウムが有効とのことですが、何%から有効でしょうか。0.05%となっているものと、0.1%~0.5%となっているものがあります。(K.A.)

高頻度接触面とはドアのノブやベッド柵、床頭台、手すりなどを指しますが、消毒すべきもの(被消毒物)の表面性状や素材によって次亜塩素酸の濃度を考えなければなりません。

  • 表面が金属の場合:高濃度の次亜塩素酸ナトリウムを使いますと錆びる恐れがあります。0.05%(500ppm)のものを使用して、数分後には水拭きをしておく必要があります。
  • 表面が木製の素材:木製の素材物品は次亜塩素酸ナトリウムを不活性化する作用がありますので、少し濃い0.1%(1,000ppm)のものを使用します。木の成分が多いワイプを使用する場合も同様です。

なお、浸漬消毒する場合は十分に有機物を取り除いた後に0.01%(100ppm)では1時間、0.02%(200ppm)では30分間の浸漬が目安になります。次亜塩素酸ナトリウムは有機物により不活性化を受けやすいため、血液や体液と関連する物品消毒には少し濃度の濃いものを使用してください。


大久保 憲(医療法人幸寿会平岩病院 院長・東京医療保健大学 名誉教授)
2020年06月
感染と消毒ホームページ事務局(幸書房内)
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