洗浄・消毒・滅菌 Q&A

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ヨウ素を含む消毒剤を3種類(ポビドンヨード外用液10%、ヨードチンキ、希ヨードチンキ)取り扱っているのですが、開封後の使用期限はどのくらい差が出ると考えればいいでしょうか?(J.A.)

ヨウ素系消毒剤の3種類では、開封後の使用期限に差はないと推定されます。遮光に留意して用いれば、製品容器に記載してある使用期限(製造後3~4年間)まで使用可能です。

ヨウ素系消毒剤(ポビドンヨード、ヨードチンキ、希ヨードチンキ)と塩素系消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム)は類似薬剤で、いずれもハロゲン系化合物です。したがって、これらの消毒剤には類似の特性があります。すなわち、経時的に分解する(年月とともに効力が低下する)、直射日光下で分解が促進される、有機物(汚れ)の存在下で効力が大きく低下する、金属腐食性があるなどの特性です。ただし、ヨード系消毒剤は塩素系消毒剤と比べると殺菌力は弱くなっているものの、経時的に分解しにくいです。たとえば、製造後の使用期限はヨード系消毒剤では3~4年ですが(一般的に、製造してからの使用期限は4年以上であっても、3年や4年と表示します)、塩素系消毒剤では6カ月~3年と製品によって異なっています(安定化する方法や容器が異なっているためです)。また、保管方法はヨード系消毒剤では常温ですが、塩素系消毒剤では製品により常温または冷所(1~15℃)となっています。


尾家 重治(山陽小野田市立 山口東京理科大学 薬学部)
2020年07月
感染と消毒ホームページ事務局(幸書房内)
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