平成5年2月15日厚生省生活衛生局指導課長通知(衛指第24号)において、洗濯物の区分と、指定洗濯物の殺菌消毒法について述べられており、「寝具その他これに類するもの以外の白衣等についても、寝具その他これに類するものに順じた消毒等の取り扱いを図るよう、衛生面の確保向上に努める」と記載されています。
クリーニング業法施行規則第1条における指定洗濯物とは、
- 感染症患者の使用物
- 感染症患者と接した者が使用した物で、病原体による汚染の恐れがあるもの
- おむつ、パンツその他これに準ずるもの
- 手ぬぐい、タオルその他これらに類するもの
- 病院又は診療所において療養のために使用された寝具その他これに類するもの。(シーツ、毛布カバー、枕カバー、患者着)
指定洗濯物の洗濯業務に関する規定
- 塩素剤
遊離残留塩素 250mg/L以上、30℃で 5分間以上浸す - 熱湯
80℃以上の熱湯に 10分間以上浸す - 蒸気
100℃以上の蒸気に 10分間以上触れさせる
※肝炎ウイルス等により汚染されているものは、120℃以上の湿熱に20分間以上作用
- 四塩化(パークロル)エチレンを使用
・四塩化(パークロル)エチレンに 5分間以上浸し洗濯した後四塩化エチレンを含む状態で 50℃以上に保たせ 10分間以上乾燥させる
・四塩化(パークロル)エチレンで 12分間以上洗濯
- 界面活性剤
逆性石けん液、両性界面活性剤等の殺菌効果のある界面活性剤を使用し、その適正希釈水溶液中に 30℃以上で 30分間以上浸す - クロルヘキシジン
適正希釈水溶液中に 30℃以上で 30分間以上浸す - ホルムアルデヒドガス
あらかじめ真空にした装置に容積 1m3につきホルムアルデヒド 6g以上及び水 40g以上を同時に蒸発させ、密閉したまま 60℃以上で 7時間以上触れさせる - エチレンオキシドガス
あらかじめ真空にした装置にエチレンオキシドガスと不活化ガス(炭酸ガス、フロンガス等)を混合したものを注入し、大気圧下で 50℃以上で 4時間以上作用させるか、又は 1kg/cm2まで加圧し 50℃以上で 1時間 30分以上作用させる - オゾンガス
あらかじめ真空にした装置にオゾンガスを注入し、CT値 6000ppm・min以上作用させる
術衣の洗濯について、感染性のもの以外の手術着などは指定洗濯物ではありませんが、寝具その他これに類するものに順じた消毒等の取り扱いを図るよう、衛生面の確保向上に努めると記載されており、上記に示す殺菌工程を経ることが求められています。
大久保 憲(医療法人幸寿会平岩病院 院長・東京医療保健大学 名誉教授)
2020年07月