次亜塩素酸ナトリウムの消毒効果は、アルカリ洗剤と同じではありません。次亜塩素酸ナトリウムのほうがはるかに強い消毒効果を示します。このことを証明するため、以下の実験を行いました。
図は、0.5%(5,000ppm)次亜塩素酸ナトリウム(実測pH11.3)とアルカリ洗剤であるマジックリンR(実測pH11.3)の殺芽胞効果について示しました。本図から、枯草菌(Bacillus atrophaeus ATCC 6633)の芽胞(107個)に対して、0.5%次亜塩素酸ナトリウムは60分間接触で十分な殺滅効果を示しましたが、アルカリ洗剤は60分間接触でも効果を示しませんでした。
pHが酸性側やアルカリ側に大きく傾くと、菌種によってはある程度の殺菌効果や静菌効果が期待できますが、強い消毒効果は期待できません。
尾家 重治(山陽小野田市立 山口東京理科大学 薬学部)
2020年10月