洗浄・消毒・滅菌 Q&A

回答については、質問をいただいた時の基準に沿って回答しておりますので、現時点とは異なっている場合もございます。

2回/週が手術日の病院で、手術室スタッフは手術室に入室する際は手術着と専用スリッパ、キャップ、マスクを装着しているが、手術日以外の業務に関しても、一足制の時代に白衣は不潔との考えがあり、手術着に着替えるべきと判断されている。手術日以外でも手術着に着替える必要はあるか。(K.H.)

手術が行われない日や夜間に物品を取りに行くためなどの理由で手術室へ入る場合の手術着への着替えなどが必要かどうかについてお答えします。

手術部内の領域は日常業務が行われている時間帯においては、制限区域、準制限区域、非制限区域に分けられます。制限区域は手術室、処置室、クリーンルーム、手術時手洗い区域が含まれます。この区域では手術が行われている日は完全な手術用衣服を着用します。準制限区域は手術室に付属する周辺補助業務区域です。非制限区域は中央管理部などの領域をいいます。これらの区域では通常でも普段着が認められています。手術が行われない日や夜間帯ではすべての領域が非制限区域となります。

手術室の空気清浄度に関しては、手術室は空調が完備しているので問題はありません。床などの環境表面の汚染について考えた場合には、現実的に手術着への着替えと感染との関りは低く問題ありません。環境汚染が心配な場合には手術日の朝に室内清掃を行ってから業務を開始する習慣にされては如何でしょうか。貴院においては手術が週に2日間のみですので、しばらく使われなかった手術室の手術開始前の清掃(始業時清掃)は重要と思います。

すなわち、日常の清掃が行き届けば手術のない日や夜間などに手術室へ入る場合には手術着への着替え、専用スリッパ、キャップ、マスク着用の必要はありません。


大久保 憲(医療法人幸寿会平岩病院 院長・東京医療保健大学 名誉教授)
2022年02月
感染と消毒ホームページ事務局(幸書房内)
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