本滅菌前に予備滅菌をする必要はありません。
貴施設で、なぜ本滅菌前に予備滅菌をしているのか、そのような手順とした理由については、わかりませんが、ひょっとしたら以下の理由かもしれません。
用手洗浄のみの場合は、熱水消毒工程がないために、洗浄後も多数の病原体が器材の表面に残存している可能性があります。用手洗浄後の器材をセット組みする際に、作業者が病原体に曝露する危険性を少しでも下げるために予備滅菌を導入された可能性がありますね。
しかし、この理論では、すべての用手洗浄のみ器材について予備滅菌や薬剤による消毒を行ってからセット組みということになってしまいます。
洗浄後の器材のセット組みの際は、すべての器材について、病原体が付着している可能性を念頭において注意して作業を行うようにしましょう。
深柄 和彦(東京大学医学部附属病院 手術部長・材料管理部部長)
2022年03月