輸液点滴セットや輸液ボトルの廃棄処理に関しては、環境省から出されています「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」1)を参照します。「輸液点滴セット(バックを除く。)については、血液等が付着している針が分離されず一体的に使用されていることから、感染性廃棄物に該当する」1)と記されています(図1参照)。つまり、輸液ボトルに刺していた針部分、チューブ類、患者さんに刺入していた針部分はすべて感染性廃棄物として扱います。
輸液ボトルは、抗がん剤の化学療法に使用した輸液ボトル、輸血用血液製剤バッグ、血液が付着した輸液ボトル等以外は非感染性廃棄物として扱うことが可能です。
針部分をハサミ等で切ることは、切創の危険性等があることから行いません。針とチューブ類は一体化した形で感染性廃棄物として扱います。
輸液点滴セット・輸液ボトル全てを感染性廃棄物として処理することは、感染性廃棄物処理に要するコスト面から推奨されません。また輸液ボトルまでを感染性廃棄物とすると、廃棄容器がすぐに一杯になってしまい他の物を廃棄する際に危険性が増すこともあるため、適切に分別することが推奨されます。
尚、抗がん剤の化学療法に使用した輸液ボトル等は、輸液ボトルから輸液点滴セットをはずす際に抗がん剤曝露の危険性があることから、すべてまとめて感染性廃棄物として扱います。
施設内で明確なルールを取決めましょう。そのルール決めの際には廃棄物処理業者と情報を擦り合わせることも大切です。実施状況をモニタリングし問題がある場合は早期に対応しましょう。
- 引用文献
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- 環境省 環境再生・資源循環局;廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル, 平成30年3月
https://www.env.go.jp/content/900534105.pdf (2022年7月1日アクセス)
- 環境省 環境再生・資源循環局;廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル, 平成30年3月
小野 和代(東京医科歯科大学 統合診療機構 機構長補佐・
医学部附属病院 医療安全管理部GRM・認定看護管理者 感染管理認定看護師)
医学部附属病院 医療安全管理部GRM・認定看護管理者 感染管理認定看護師)
2022年07月