温度と時間設定は正しいです。薬液の高圧蒸気滅菌は、115℃・30分間や121℃・15分間などの条件が汎用されています¹⁾。すなわち、グリセリンの滅菌条件として115℃・30分間は適しています。重力加圧脱気式での滅菌を行ってください（図1）。プリバキューム式では減圧した時点で水が沸騰して容器からあふれる心配があります。

なお、参考までに、グリセリンの滅菌での注意点をあげます。耐熱性の容器（ガラス製またはポリプロピレン製，図2など）の使用が必須です。耐熱性でないと、滅菌中に破損するからです。また、少しキャップをゆるめた状態で滅菌してください。滅菌終了後にキャップをかたく閉めます。さらに、滅菌終了後にその容器を水などに入れて早く冷やそうとすると、爆発する危険性があります。したがって、その容器を決して水などで急速に冷やさないでください。

引用文献

1. 大久保憲，尾家重治，金光敬二　編．2020年版　消毒と滅菌のガイドライン．へるす出版．改訂第4版　2020年3月30日.